月夜の誕生日

月夜の誕生日

岩瀬成子作・味戸ケイコ絵

出版社 金の星社
発売日 2004.03
価格  ¥ 1,365(¥ 1,300)
ISBN  4323070446
★★★☆☆
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お月様が好きな2号にも今日は絵本を借りてみる。
太陽系の写真図鑑とか見せてみたけど、乗り物絵本に気が向いている2号は見向きもせず。1号が選んだ絵本をカウンターに持っていく段になってようやく興味を向けたのがこの絵本。

味戸ケイコ。なつかしい。小さい頃「みんなのうた」で味戸ケイコの不思議なイラストの歌を聞いた気がする。赤いボールが飛んでいく。

この絵本の主人公はお誕生日に赤いワンピースとピカピカ光る星のブローチを貰った女の子。ワンピースが嬉しくて、着たまま寝ちゃった。
ふと目を覚ますと、月が欠けていく。誰かの呼ぶ声。
そのかわうその声にしたがって外に出る。不思議な川の中州。少女が座った草のつるが延びる。
かわうそが、ボクも今日がお誕生日だからプレゼント頂戴、という。
少女は大事だったけどブローチをあげる。
喜んで嬉しそうにかわうそが笑う。つるが延びる。
くさがめがやってきて、やっぱり誕生日プレゼントをねだる。大事な洋服の、金色のピカピカのボタンをあげてしまう。くさがめが幸せそうに笑う時、またつるが延びる。
カワネズミがやってきて、また誕生日プレゼントをねだる。大事な赤いリボンもあげてしまう。嬉しそうにカワネズミが笑うとまた、つるが延びる。
どんどん、いろいろな動物がやってきて次々とプレゼントをねだり、少女はねだられるままに、住所や名前、思い出までもあげてしまう。

でも、何もかもなくなった女の子は、気持ちが新しくなったようで嬉しくなり、みんなで歌を歌う。
その時月蝕が終わり、お月様にもお誕生日が…。
月まで延びる、つる。

ページをめくるたびにつるが延びて背景の月の影が、どんどん近く大きくなる。味戸ケイコ独特の幻想的な光景。
最後に月夜のお誕生会を終えて「今晩だけプレゼント」した名前や住所を取り戻した女の子は、自分のベッドにそっともぐりこむ。

その時だけ、でも大事な全てを誰かに分け与えること。そして幸せになるのだということ。
2号はひたすら、「おぅちえぱぱ(おつきさま)きれいねー」と言っていた。

? posted by Yumikoit at 10:59 pm pingTrackBack [0]

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