持久走大会である。
授業参観はいいから運動会とか持久走大会は見に来て、という1号も、去年くらいから
「サッカー連中にはかなわない」
と言い始めた。まぁ元々スタミナ不足で中距離向け(本人は短距離向けと言っているが、スタートダッシュに弱い性格である)なので、持久走大会というと腰が引けるのはしょうがないかもしれない。
それでも一応、見に行ってやる。
学年全体の男子を2グループに分けて走るのだが、スタートの位置をうまくキープしなくて(というか、そこまで考えてまで1位になろうとしていないのかもしれない)、最初の半周は全体の真ん中辺を走っていた1号、ぐいぐい追い越して周数遅れの子に追い付くころには2位、最終的にトップの子も抜いたらしい。(周数遅れの子と混じってよくわからなかった)
帰ってきた1号に、「頑張ったね」と声をかけると
「まぁそれでも、もう片っ方のグループと混ぜるとぼくより早い子が4人くらいいたんだけどね」
と殊勝にはにかんでみせる。
「それで?2号はどうだった?」
2号はね。半周走ったところで立ち止まって、スニーカーのマジックテープを貼りなおしていたよ。
…練習の時も、走ってる途中でひもがほどけたって言ってたくせに、なんで走る前に確認しないのかねぇと思いながら1号に告げる。
まぁ、あれだな。2年生は3分しか走らないにもかかわらず、1周走ったら息が切れるなんて。
剣道の試合でいったら、試合の決まった時間の間すり足で走るなんて無理じゃん。絶対。
試合に出るようになったら、体力的にどうする気なんだろうねぇ。
ふーん。と1号続けて言う。
「で、どうだったの?2号」
…あんたねぇ。この話の流れで続きを要求する?
黙ってしまった1号。
惜しいなぁ。そこで
「だってそれこそこの話の流れで、結果なんで本人に訊けないから、お母さんにきくんでしょ!」
と言ってくれりゃ、こっちもちゃんと話すんだけどね。
やっぱり細かい感情の動きとか読んでデリケートな心配りのできない1号である。
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