夜ごはんにサバの干物を焼く。
サバとしては小ぶりだけど、子ども達に半身ずつ。
わーぃ、とかぶりついて、背骨を外してしゃぶり始める1号。
だが、アジの干物と違ってサバの背骨は硬くてとがっている。
「口に刺さっていたくなっちゃう」
と放り出す。
一気にめんどくさくなったようで、身を外して食べまくるが、縁側の部分や皮にうっすらとついたアブラの部分は適当にうっちゃって「ごちそうさま」しやがった。
大根おろしをまぶして食べたせいで、身がほどけたのも原因だけど。
うわー。もったいねぇ。
こういう食べ方するなよ〜。と私が箸を取り上げる。
身を拾って食べながら、ついでに皮も食べてしまう。縁側。ここは骨が細かくて大変に思うけど、皮から外さないようにして箸でこそげとると結構んまぃ。
アタマ?目の周りはしゃぶってある。
眼窩の下のこのドロリとしたところは?
2号は美味しいというが、1号は「苦い」と顔をしかめる。
で、ここのほっぺたのところの身は食べてないでしょ。アタマのこの辺は?
ほら、一口食べてみぃ。
「んま〜♪」
だろ。
ぼくもぼくも、と2号が寄ってくる。ぱく。
2号、自分が食べた後の皿を振り返る。
いきなり手づかみで食べ直し始める。
1号はもういい加減腹もいっぱいだったようで、私がほぐして差し出したものは残らず平らげるが、私が箸を取った以上は私の魚だと思っているようでそれ以上は要求しない。
ただ、最後に食器を片づけながら
「今度はぶりのアタマでも買ってこようかな〜」
というと、
「お母さんが一緒に食べてくれる時に買ってきて!」
というところを見ると、アタマがうまいというのはわかったようだ。
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