i8080Aの写真
INTEL 8080 (8bit CPU)
Address bus 16bit, Data bus 8 bit.

DIP40P、Clock 2.0Mz、2.5MHz、3.0MHz.

N-MOS 6um トランジスタ数 4,500.

1974/04/01発表


最初の8bitプロセッサ i8008 を大幅に改良したプロセッサです。
パッケージは40ピンのDIP型で、 i8008 で時分割されていたアドレスバスとデータバスを分離しました。
プロセスもP-MOSからN-MOSへ変更され、性能が大幅にアップしました。
 スタックポインタの採用でスタックをメモリー上に保存できるようになりスタック数の制限がなくなりました。
 i8080 ではN-MOSプロセスを採用したことで、電源電圧も+12、+5、-5Vの3電源になりました。
 INTEL社はこの 8080 から周辺デバイスのファミリー化を積極的に進めます。
これらの中で、 8251 や 8255 といった大ヒットした周辺デバイスが誕生しました。

 i8080 は大ヒットし各社からセカンドソースが出されました。
 その中でNECが開発した uPD8080A は、ピン配置と命令コードを同一にした上で、動作クロックやフラグ動作を
改善した製品でした。
NEC uPD8080A
← NEC uPD8080A
 残念ながら、NECが行った独自の改良はユーザに受け入れられませんでした。
NECは後日INTEL製と動作を同一にした uPD8080AF を発表します。

 i8080 の頃から TK-80 のようなワンボードコンピュータや、 Altair 、 IMASI といったパーソナルコンピュータが
誕生しました。

我が家で最古の8080A  左は最近手に入れた i8080Aです。
若干程度が悪いのですが、裏の DATE CODEによると 1975年の43週。
比較的初期の石でした。
 ちなみにこのページの最初にある i8080は1977年の7週版です。

i8080のユーザーズマニュアル  右は i8080のユーザーズマニュアル。
1975年9月に発行されました。
 8080システムの構成や、周辺ICの使用方法等が書かれています。


東芝製の8080A  左は東芝製の 8080Aで、東芝製のマイクロコンピュータトレーニングキット EX-80で使用していた物です。
東芝は AMD社流型番を付けており、8080Aが9080になっています。
周辺の石も、8251が9551、8255が9555と言った具合です。
 このことから、当時は東芝はAMDから技術供与を受けていたのではないかと思われます。

NS製の8080A  右はNS(National Semiconductor)社製の8080Aです。
1970年代後半はまさに8080全盛でした。

三菱電機製の8080  左は三菱電機社製の8080Aです。
三菱電機は始めは独自の型番を付けていました。
これは周辺やTTLといった汎用ICも同様でした。
独自型番はたしか8085の頃まで続いたと思います


INTEL P8080A  最近入手した 8080を3つほど。
右はINTEL製の 8080Aで、プラスチックパッケージ品です。
DATE CODEを見ると1978年の第2週品です。
 この石を見るまで、8080がプラスチックパッケージになるのはずーっと後と思っていました。

AMD社の8080  左はAMD社製の8080A。
AMD社は当初、独自の型番をつけていました。
独自の型番はCPUが9080、PPIが9255等です。
これらの製品はオリジナルと若干特性が違いました。
この90系型番の石を使用するときは注意が必要でした。
 もっとも、このころはメーカが変わると電気的特性が変わるのが普通でしたが...

TI社 8080!  右が今回の目玉! なんと、8080のノンAバージョンです。
メーカはTI社で、DATE CODEを見ると1975年の第52週です。
この頃はAバージョンとノンAバージョンが混在していました。
 ノンAバージョンは、チップ内部のグランドパターンが細く、74Lタイプしかドライブできません。
Aバージョンは内部配線の修正でドライブ能力をLSTTL10個まで強化されました。
 ノンAバージョンは殆ど市場に出回っていなったようで、私もこれを入手するのに1年かかりました。


AMD社製8080A 左は最近入手した 8080A。
AMD社製です。


軍用の8080 右は同じくAMD社製の8080A。
この8080Aはミリタリーバージョンで、
-55〜+125℃の範囲で動作可能な製品です。



日電製 i8080のコンパチ品 左は最近入手した 日電製の8080AF。
これは、日電が当初8080Aで独自に拡張した仕様が
ユーザに受け入れられず、元の8080の仕様に戻した製品です。
独自改良品と区別をするため、型番の最後にFをつけました。



NSC社製 8080Aその2  右はNS社製の8080Aその2。
NS社の8080A CPUボードについていたものです。


独逸製8080A  右はドイツジーメンス社製の8080Aです。
日本国内ではヨーロッパ製のCPUを見る機会が少ないので
結構貴重かも。



TI社 8080 ノンA版 その2  左は TI社製の 8080 ノンA版 2個目。
上の奴よりも少々新しくて 1976年第10週版です。
新しい分パッケージングも良くなって(?)いますね。

TI社 8080 ノンA版 その3  次は同じく TI社製の 8080 ノンA版。
パッケージがプラスチック製です。
 DateCodeは1977年14週品。


 ふむ。いい加減この辺になると各社共Aバージョンしか発表していないのでTI社は始めからAバージョン相当品を
出していたのかと疑ってしまいます。1977年出版のつくるマイコン第1集(CQ出版社)に
TMS8080Aという記述があるのでTI社も後にAバージョンを出していたのかも知れませんが...

TI社 8080 Aバージョン  で、これが回答。
やっぱりAバージョンはあります。
TI社は1977年と1978年の間でノンAとAバージョンを
切り替えたようです。



INTEL社8080A 高速版  右はINTEL社の8080A。
動作周波数3MHzの高速バージョンです。



NEC版8080A 初期パッケージ  左は日電製の8080AF。初期パッケージ版です。

シグネティックス社製 8080A  その下はシグネティックス社製の8080A
この2つのCPUは中西様から頂いたものです。
ありがとうございました。



8080A CS版  右は8080AのCS版。Customer Sampleの略かなあ。
ちなみにこいつは1976年35週品。


ジーメンス版8080A その2  独ジーメンス製8080Aその2。
今度はDateCodeがあります。
それによると1980年40週品ですね。


TMS8080A セラミック版  TMS8080Aのセラミック版。
1978年32週品。



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